披講(管理人選) 第201回 5月句会

 

18 夏館ワインオープナーあつた筈 兎波

ワインオープナーはワインのコルクを開けるときの器具。夏館ですからそれまでは住んでいなかったのです。久しぶりに戻って来てその器具を何処に閉まったか忘れてたのでしょう。夏館が生きています。

32 児の声を腹いっぱいに鯉のぼり あんあん

空気を腹一杯では無く、児の声を腹一杯なのです。この捉え方、感じ方が詩です。

42 何となく回すパラソル人を待つ 柚子

手持ち無沙汰でもあり、なんとなく楽しくもあり。パラソルを差している人の姿、心が窺えます。

59 うす緑は恋の初めか七変化 やち坊主

上五中七は作者の感覚。七変化を恋模様と捉えているのです。

68 古時計の鈍き音する夏座敷 牛歩

柱時計の様な気がします。中七の摑み方いいですね。これで時計の古さだけでなく家の古さが感じられ、その音は座敷に精神的涼しさをもたらしているように思えるのです。

98 薄れゆく視力聴力そのひぐさ

そのひぐさは日々草のことと思われます。上五中七とは花の感じもそうですがその名称とも響き合っているような。

101 野仏の開かぬ片目花いばら 大造

この野仏は片目のあたりが剥落しているだと思います。花いばらは傍らに咲いていたのでしょう。キチンと写生がなされています。

102 真っ青は胸焦がす色ラムネ干す めぐる

上五中七は青春時代を回顧しているのでしょう。それが「ラムネ干す」の具体性で引き締まった句となりました。

120 ひたすらに歩を前に出す登山靴 ドッグイヤー

登山は一歩一歩が苦しいもの。上五中七の表現は生きています。

122 鯉幟だだをこねてる隣の児 孝雄

隣家から児が泣き出しているか、親に反抗しているのが聞こえるのです。それは成長の記しでもあります。作者はほほ笑ましくその声を聴いているのです。季語が効いています。

127 山開きアルプホルンの木霊して 汕山

アルプホルンは山開きに最もふさわしい楽器かも。その響きは我々にも聞こえてくるようです。

 

第201回 5月句会 披講(管理人選)

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