披講(管理人選) 第209回 1月句会

 

8 冷蔵庫二日夕には空つぽう

元日二日と年賀の客が絶えなかったのが思われますね。

11 寒雷に越の銘酒をこぼしけり あづみ野

銘酒の多い越の国。その越の国と寒雷とは合っています。雪国の炬燵で銘酒を嗜んでいるのです。「こぼしけり」に俳味を感じます。

22 色即是空食い尽したる牡丹鍋 やすし

牡丹鍋と色即是空、何かが感じられます。

37 短日や半分閉ざす長屋門 秋桜

中七下五の摑み方良いですね。季語の斡旋も生きています。

45 ふた峰に日のやはらかく山眠る

この落ち着いた句調、惹かれるものがあります。

47 人日の建設現場杭を打つ 鉄腕アトム

人日の季語が活きています。

55 日向ぼこ何食べるにも半分こ 勇魚

ベンチでのお二人。中七下五は日向ぼこと呼応しています。

57 行年やずらりどでんとごみ袋 灌木

中七のオノマトペが生きています。大量の芥、無駄な物を処分して新年を迎えようとしているのです。

60 寒風に耐へられず道曲りけり 秋 浪

厳しい向かい風なのです。「道曲がり」は事実なのでしょうが、面白いです。

83 いつまでも水音がして年用意 よせふ

厨の水音でしょうか。年用意を水音一点に絞っているのは俳句的表現です。

92 猪肉をぬつとさし出す御慶かな 兎波

年始の挨拶の手土産に猪肉を差し出したのです。山間地区の新年と思われます。

97 雪積みて厳父の墓の丸くなる やち坊主

「厳父」と「雪で丸くなる」の取り合わせ。知的操作が過ぎるの意見も出そうですが、私は意表を突いた表現として活きていると感じました。

107 半歩づつ列を進みて初詣 寿々

一歩では無く半歩なのです。混み具合がよく出ています。

108 鏡餅大罅割れて威厳なり 汕山

大きな罅割れに枯れ古木のような威厳を感じたのです。まだ纏められる句ですが捉えているところはたいへん良いです。

123 自販機の缶の転がる冬日旱 鉄腕アトム

空き缶でしょうね。乾いた音が読み手に聞こえてきます。

128 白鳥のぎゆうぎゆうにまた白鳥来 ぎんう

その場所は既に白鳥で一杯なのです。そこに更に白鳥が舞い降りているのです。白鳥の飛来地らしさが、しっかりと表現されています。

129 亡き父の記念写真の懐手 石山

ご父君の時代と、父親像がこの写真から窺えます。

152 ぼそぼそと夜勤明けなる御慶申す 灌木

大晦日から徹夜の仕事だったのです。こういう御慶もあるでしょうね。

154 降る雪や笠をかぶりて露天風呂 桃猫

こういう浸かり方もあるんですね。一度味わってみたいもの。

 

第209回 1月句会 披講(管理人選)

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